◆河津桜を被災地に 下田のNPOが募金活動 ◆

被災地に贈る河津桜の成長を確かめる安藤さん(南伊豆町の下賀茂熱帯植物園で)
 東日本大震災の被災地に河津桜を贈ろうと、下田市のNPO法人「伊豆のせんたんコンシェルジェ」(増田健太朗代表理事)が、苗木購入資金の募金活動を進めている。下田市や南伊豆町の観光施設など120か所に募金箱を設置。10月には寄贈先の第1弾として福島市内の桜の名所・花見山での植樹を行う予定で、メンバーらは「さらに協力を呼びかけ、募金を増やしたい」と意気込んでいる。
 伊豆のせんたんコンシェルジェは、山野を歩くノルディックウオーキングの愛好者らを中心に、まちづくりや観光振興などの活動を進めようと設立され、7月下旬には県の認証を受けた。
 「被災地の人たちに伊豆の人情の厚さや魅力を知ってもらえたら」と、今年4月から「東北に河津桜を!~伊豆から桜プロジェクト」を始動。募金箱の設置を進めながら、福島県の名古屋事務所などを介して寄贈先を探したところ、花見山の環境保全や震災被災者の支援などを行う福島市のNPO法人「花見山を守る会」から申し出があり、この秋に苗木100本を贈る話がまとまった。守る会では、放射能除染や被災者の雇用創出を兼ねて雑木林を開拓し、トウカイザクラなどの苗木を植樹する活動を進めており、高橋真一代表(44)は「地元には河津桜を見たがっている人もいる。厚意を復興につなげたい」と喜んでいる。
 現地での植樹は10月10日に行われ、コンシェルジェのメンバー約10人が河津桜の苗木や菜の花の種とともに、漁が解禁されたばかりのイセエビ300食分を持参し、みそ汁などの炊き出しも行う予定。
 コンシェルジェの安藤広和副代表理事(43)は「津波被害を受けた沿岸部にも河津桜を寄贈したい。将来は伊豆半島全体に募金活動の輪を広げ、息の長い支援を続けたい」と話している。
 募金活動についての問い合わせは、伊豆のせんたんコンシェルジェ(0558・23・7577)。
読売新聞 8月21日‎
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